こんにちは!
今回のブログはこけし館の研修生がお送りします。
蔵王町ではこけし工人の後継者育成事業を行なっており、現在は二期生である3人の研修生が日々こけしの技術を学んでいます。
こけし制作の手順は①カンナ作り、②削り、③描彩に大別されます。
こけしを削るカンナは鋼の棒を昔ながらのふいごで熱し、鍛冶屋さんのように槌で打って形作り、焼き入れを施してそれぞれが自分に合ったカンナを手作りします。
一年目はこのカンナ作りから始まり、様々な削り方や形を覚えました。
二年目に入り、現在やっとこけしの描彩を学び始めました。
遠刈田の伝統的なこけしの描彩は、墨と、赤・緑の染料を用います。
そのほか絵柄によって黄や紫の染料を使ったり、顔料や最近では藍を使ったこけしもあります。
多くの工人さんは描彩を畳の上で行ないます、研修室にも畳を2基入れて、染料の使い方や筆の運び方を勉強しています。
こけしはお顔の表情が命、お顔を描くときだけは一人になる、息を止めて描くなど、工人さんたちの話を伺うと真剣さが伝わります。
普段は3台のろくろの音が轟々と響く研修室ですが、描彩が始まってからはしーんと静まり返り、鳥の声だけが流れる時間が過ぎています。
こけし館の駐車場の隅に研修所の小さな建物があります。
こけし館にお越しの際、よろしければ覗いてみて下さいね。
毎年5月3~5日の3日間にわたり、
弥治郎こけしの産地でもある 宮城県白石市 にて開催される
「第59回 全日本こけしコンクール」。
蔵王町の 遠刈田伝統こけし工人 後継者育成事業(第1期)で修行された、
遠刈田系の 佐藤 早苗 工人(師匠:佐藤 勝洋 工人)が「河北新報社 賞」を受賞されました。
誠に おめでとうございます!
コンクール 期間中、受賞された 早苗 工人が製作した こけし も会場に展示されております。
また、招待工人として、同じく遠刈田 系の 日下 秀行 工人が「描彩」で参加いたします。
こけしコンクール、遠刈田温泉にある こけし館 へもぜひお越しくださいませ。
第59回 全日本こけしコンクール ―ほほえみの年輪をかさねて―
開催日/ 2017/ 5/ 3(水・祝)~ 5(金・祝)
時 間/ 9:00~17:00
場 所/ ホワイトキューブ White CUBE
〒989-0218 宮城県白石市鷹巣東2-1-1
http://alljapan-kokeshi.com/
こんにちは!
4月に入ってようやく日差しが暖かくなってきました、もうすぐ本格的な春ですね。
このブログはこけし館のスタッフがお送りしています。
こけし館周辺の季節の話題や、こけし工人研修生の学習の様子などをお知らせいたします。
こけしの原料になるミズキの木は春になると水を大量に吸い上げ扱いづらくなるので、
なるべく冬の間に伐採します。
そのためミズキの皮むき作業は冬から春のはじめによく行われる、
こけしの里の風物詩となっています。
トラックでどん!と運ばれてくるミズキの原木は、お料理に使う皮むき(ピーラー)を
大きくしたような器具を使って、一本一本手作業で皮をむきます。
皮をむいたミズキの材は縦横に組み上げ、乾燥させながら保存します。
組んでおいたミズキの材を必要に応じて製板し、
ロクロで削って、ようやくこけしの形になるというわけです。
ミズキの木は日本中の山野に自生していて、こけしの他にも下駄や器に加工されたり、
日本人には昔からなじみの深い木です。
小正月には冬枯れで赤くなったミズキの枝に団子を刺して五穀豊穣や家族の健康を祈願する習わしがあり、
そのため団子の木とも呼ばれます。
こけしに使われるミズキの木の花は小さな白い花が集まった質素な姿で、
歌に出てくる「うすべにいろの」ハナミズキはアメリカから園芸用に輸入されたアメリカヤマボウシのことです。
日本の山野には、十字手裏剣のような白い花をつけるヤマボウシや黄色い蝋梅のような花をつける
ヒュウガミズキなど、趣のあるミズキの仲間がいろいろ自生しています。
今こけし館にいらっしゃると、駐車場の隅に皮をむかれて積み上げられたミズキの原木を
ご覧いただけます。
見かけたら、これがあの可愛いこけしたちになるんだなあと、ちょっと想像してみて下さいね!