こけしの展示本数5,500本は世界一

─ 宮城伝統こけしの世界 ─

宮城伝統こけし

伝統こけし

伝統こけしについて

伝統こけしは、江戸時代(文化・文政の頃)、東北各地で木のお椀やお盆などを挽く木地屋が、湯治場などの子どもの玩具として作ったものと思われます。
東北各地で作られ始めたこけしは、師弟相伝の形で、その製作技術や形模様などが一族あるいは弟子にのみ伝えられ、その土地、家系に定着し他所にない独特の物となりました。
こけしは東北だけに生まれ育った玩具ですから、東北地方特有の気風を持っており、その土地ごとに特徴があり、11の産地に系統分けされます。

宮城の伝統こけしについて

こけしは、東北の山村に住む木地師たちによって作られた木地玩具で、温泉場と深いつながりを持ち、江戸時代末期に発生したといわれています。
こげす、きぼこなど、温かみのある東北訛りで呼ばれるようになり、子供たちのよき遊び相手であり、幸せを守る玩具となった。

頭部と胴部だけの構造に単純な目鼻をあしらっただけの玩具ですが、こけしは何よりも表情がいのち。
そこに想いがあるからこそ、伝統的な愛らしい表情が生まれます。

伝統こけしの魅力

伝統こけしは、原木の段階から、顔・胴の描彩、仕上げまでの 全工程を一人のこけし工人が行います。
すべて自分の思うとおりに作ることが出来るのですが、それゆえに作り手の生活や気持ち体調などが作品に反映され作風も変化します。
そこが面白いのです。
特に顔の描彩には作り手の気持ちが大きく反映されます。
優しい目、怒った顔、悲しげな表情、厳しい顔つきなどが時と共に変化してきます。
また木地の形状によって表情は微妙な変化をします。
他の人が挽いた木地に描彩しても、自分が思うとおりの描彩は出来ないのです。
胴部に施される模様にしても 色の配色、筆致、筆力 などにもこけし工人の個性が見えてきます。
伝統こけしには、その系統の特徴に従う様々な制約があります。
その制約の中で、こけし工人達は工夫し変化を試みています。まさに「温故知新」の世界なのです。

遠刈田系伝統こけし

遠刈田系こけしは、遠刈田温泉を中心として発達しました。
現在、確認されている史実の中で発生年代が最も古く、こけしそのものが遠刈田から発生したと考えられています。頭部は比較的大きく、赤い放射状の手絡(てがら)が頭頂と額から鬢(びん)にかけたあたりに描かれる華やかなものと飾りのない黒いおかっぱ頭があります。
切れ長の目に鼻筋のとおった大人っぽい女性の表情の描彩が印象的です。
胴模様は重ね菊や菊から変化した模様が多く描かれますが、そのほかにも、梅・桜・井桁・木目など多彩な描彩パターンを有しています。また、牡丹・蝶・松葉・あやめなどの胴模様は、背面にワンポイントとして描かれることが多くあります。

遠刈田系伝統こけし

弥治郎系伝統こけし

弥治郎こけしは、白石市の南西部、鎌先温泉にほど近い弥治郎地区で誕生しました。
弥治郎は半農半工の地域で、農閑期にこけしを作り、鎌先温泉の湯治客などに子供のみやげとして売っていました。
絵付けは単純で素朴ですが,頭部にベレー帽のようなロクロ線を施し、ロクロ線の下には2~3色の鮮やかな飾りや赤い手絡(てがら)がついているためモダンな印象を与えています。
温泉客から好みの形状や描彩などを聞き、注文に応じて製造したことから、形状・描彩ともに多彩なバリエーションとなり、系統全体としては自由でのびやかな印象を与えてくれます。

弥治郎系伝統こけし

鳴子系伝統こけし

鳴子系こけしは、宮城県鳴子温泉を中心に発達しました。
瓜実型の頭部と胴部の中ほどが少し細くなっている安定感のある形状は広く人々に親しまれています。
また、頭を回すとキイキイと鳴ることでも有名です。
これは、ガタコという鳴子独特の接合方法のためであり、最大の特徴ともいえます。
頭部の描彩は前髪・髷(まげ)・水引き手が描かれ、胴模様は重菊・菱菊・車菊・楓・牡丹・あやめ・なでしこ・桔梗などが描かれます。
他の系統と比べて写実的な描彩を施します。御所人形のような前髪の下の表情には童心が宿り全体の豪華な華やかさの中に素朴さと清楚さを添えているのも印象的です。

鳴子系伝統こけし

作並系伝統こけし

作並こけしは、他の系統と同様に山間部の温泉場(作並温泉)で生まれ、後に山形・仙台という都市で発達したという特徴的な変遷を有します。
形状は、小さな子どもでも容易に握ることのできる,細くて単純な棒状の胴と、小さな頭から構成されているタイプと、安定感をよくするための台状の裾を有したものに大別できます。
描彩はいたってシンプルですが、その表情には仙台の町家の娘を思わせる哀愁が漂っています。
作並系から分かれ独自の発達を遂げた胞吉型と加納型があります。
胞吉型こけしは、赤と黒という大胆な色使いで洗練された都会的な印象です。加納型こけしは、作並系の中では丈が短めの愛嬌 のあるこけしです。

作並系伝統こけし

肘折系伝統こけし

肘折系こけしは山形県肘折温泉で発生した系統です。
鳴子系に遠刈田系が加味されてできあがったため、他の系統とは異なる独特の味わいがあります。
宮城の伝統こけしに指定されている肘折系は、肘折温泉から仙台に移住した佐藤周助氏の血をひく佐藤昭一氏が継承しています。
胴は鳴子系に近く、太くて肩が張ってほとんど直胴ですが中には下の方が太くなっているものもあります。
模様は重ね菊が主ですが、撫子などの草花を描くこともあります。
胴は鮮やかな黄色で、大胆な筆勢で描かれる目鼻立ちに黒々としたおかっぱ頭、真っ赤な大柄の髪飾りなど、力強い印象を与えてくれます。

肘折系伝統こけし

遠刈田系こけし工人の紹介

佐藤 勝洋

佐藤 勝洋

昭和19年生まれ
師匠:佐藤護
経歴:昭和49年より、父護について木地を修行し、昭和54年護没後こけし製作に専心する。

平間 勝治

平間 勝治

昭和16年生まれ
師匠:大宮正男
経歴:昭和31年より、正男の工場で木地を修行し現在に至る。

佐藤 哲郎

佐藤 哲郎

昭和7年生まれ
師匠:佐藤吉弥・佐藤吉之助
経歴:昭和22年から吉之助の工場で木地を修行し、こけしを作り始めた。

佐藤 忠

佐藤 忠

昭和7年生まれ
師匠:佐藤菊治
経歴:昭和21年から父菊治の指導で木地技術を習得し、昭和30年から描彩も始めた。

我妻 昭三

我妻 昭三

昭和7年生まれ
師匠:我妻与四松
経歴:昭和41年より、父与四松について木地を修行しこけしを作り始めた

作田 孝一

作田 孝一

昭和10年生まれ
師匠:作田隆
経歴:昭和25年より、父隆について木地を修行しこけしを作り始めた。

佐藤 すみえ

佐藤 すみえ

昭和24年生まれ
師匠:佐藤憲雄
経歴:昭和59年より、夫憲雄の指導を受け木地挽きと描彩を習得し、昭和63年よりこけし製作を始める。

桜井 良雄

桜井 良雄

昭和16年生まれ
師匠:大葉亀之進
経歴:昭和44年より、亀之進について木地を修行し、昭和48年に独立した。

佐藤 早苗

佐藤 早苗

昭和42年生まれ
師匠:佐藤勝洋
経歴:平成21年より木地挽き及び描彩を修業し、のち佐藤勝洋に師事。

日下 秀行

日下 秀行

昭和52年生まれ
師匠:佐藤哲郎
経歴:平成21年より木地挽き及び描彩を修業し、のち佐藤哲郎に師事。

アクセス・お問い合わせ

みやぎ蔵王こけし館

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(Fax.0224-34-2300)

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アクセス仙台駅前33番乗り場より高速バス70分
宮城交通バス「遠刈田湯の町バス停」より徒歩10分
住所〒989-0916
宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉字新地西裏山36番地135
開館時間午前9時~午後5時(最終入館:午後4時30分)
年末年始:12月29日から翌年1月3日まで(最終入館午後3時)